高松塚壁画、古墳に戻さず
奈良県明日香村の国宝、高松塚古墳壁画(7世紀末~8世紀初め)の保存と活用を考える文化庁の検討会は27日、都内で会合を開き、修復後の壁画を当分の間、古墳に戻さず、古墳外で保存、展示することを決めた。
カビなどを抑制する技術の確立や劣化した石材の再生が見込めないため。遺跡は現地保存が原則で、文化庁は今後も「戻すための努力、検討を続ける」としているが、将来的にもこうした技術の進歩を見込むのは難しいとみられる。同村にあるキトラ古墳の極彩色壁画は既に古墳に戻さない方針が決まっており、国内で2例しかない極彩色壁画はいずれも長期間、古墳外で保存される見通しとなった。
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