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【五輪コラム】自信の滑り

[2014年02月22日 08:01]

 アルペンスキー女子回転は五輪初出場の18歳、ミカエラ・シフリンが優勝した。同種目で史上最年少のチャンピオンとなり、女子回転で米国選手の金メダルは1972年札幌大会のバーバラ・コクラン以来42年ぶりとなった。米国は4度のワールドカップ(W杯)総合優勝を誇る女王のリンゼイ・ボンが膝の故障で欠場し、女子チームの成績不振を心配されたが、ニューヒロインが誕生し、ボンの後継者として名乗りを挙げた。
 3日前の大回転で5位。「準備はできた」と自信を持って回転に臨んだ。シフリンは1回目、6番スタートでトップに立った。腰の位置を高く保ち、しなやかな滑りは力みがない。2連覇を狙った2位のマリア・ヘフルリーシュ(ドイツ)に0秒49差をつけた。2回目は1回目タイムで逆順の30番スタート。中間部でバランスを崩すロスもあったが、合計タイムで2位に0秒53差をつけた。ゴール後、両手を大きく上げて勝利を祝った。「今の気持ちをどう表現したらいいのかしら。とても難しい。長い間の夢がかなった。こんな素晴らしい瞬間はないわ」
 15歳でW杯にデビューし、2012~13年シーズンは回転で種目別優勝。回転女子のシーズン4勝は欧州以外の選手では初めてだった。昨年2月の世界選手権の回転を17歳340日で制し、3番目に若い優勝者になった。
 170センチ、64キロ。天才少女は「テニスとサッカーも好きだけど、スキーをすることが一番好き」という。フリースタイルスキーのモーグルコースで練習する時間が多い。コブを滑って、ターンのリズム感を養っているそうだ。バランスを崩してもリカバリーする能力の高さの秘密がそんなところにあるのかもしれない。
 出場する種目は今のところ回転、大回転の技術系だが、将来は「1シーズンでW杯の5種目全てで優勝することが目標」と大きな夢を持っている。
 尊敬するスポーツ選手はいずれも米国のプロバスケットボールNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズと女子テニスのセリーナ・ウィリアムズ。パワー満点の選手が好みのようだ。
(共同通信編集委員 原田寛)

☆原田寛(はらだ・ひろし)1956年秋田県生まれ。共同通信ではスキー、テニス、五輪などを取材。冬季五輪は1994年リレハンメルから2010年バンクーバーまで4大会を取材。運動部副部長、大阪運動部長を経て現在、編集委員。

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