「地獄でなぜ悪い」DVD化
「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」の園子温監督による痛快なアクションコメディー映画「地獄でなぜ悪い」が、DVDとブルーレイになった。
監督自身が影響を受けてきた西部劇やホラーからブルース・リーまで、娯楽映画のエッセンスをたっぷり詰め込んだ一本。「好きな映画のごちゃまぜです。アクションシーンはスロー再生にも堪えるように作ったので、何度も繰り返し見てほしい」と語る。
さかのぼると「小学生のころ、テレビであらゆる洋画を見まくっていた。ウルトラマンを見るのと同じ感覚で、どちらが高級とかいう意識もなく」。そんな“ごちゃまぜ映画体験”が原点にある。
そして大学時代、名画座に通い詰めて見た東映ヤクザ映画。「特に深作欣二監督の作品。この映画でも、警察署の名前を『深作警察署』にしたくらい大好きなんです」
手持ちカメラを振り回す斬新な撮り方や、ドキュメンタリー風の深作演出に強い影響を受けたが、同じ東映ヤクザでも「高倉健さんの任侠路線は、結構見たけどそんなにグッと来なかった」という。いかにも乾いたテイストを好む人らしい。
「地獄で―」には、自主映画制作に熱中した監督自身の若い日々も描かれている。当時、背中を押してくれたのは大島渚監督だった。「25歳になったら決断した方がいい、迷ったらいかんと言われ映画監督になりました。大島さんは破壊の人なので非常に好きです」
1作ごとに新境地を開く大島イズムも、しっかり受け継いでいる。
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