元プロ野球選手の石井さんが新著
本格派の左投手として日米通算182勝を挙げた石井一久さんが、無理をしない生き方をつづった「ゆるキャラのすすめ。」を出版した。「ここぞという場面で力を発揮するには、常に全力でなくてもいい。普段から頑張りすぎちゃっている人たちに読んでほしい」と呼びかける。
「気合」や「根性」「オトコ気」を不要と言い切る石井さんは、野球界では異端視されることが多かった。「普段から、しっかりしたやつと思われてもハードルが高くなるばかり。『やるときはやる』と思ってもらえればいい」ときっぱり。
1992年にヤクルトスワローズに入団、22年間の現役生活で野村克也さんら多くの監督の下でプレーした。「みんないい人でしたが、僕の人間形成ができる前だったので、野村監督が一番大変だったと思います」と人ごとのように語り、笑いを誘った。
引退後は、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに入社、「スポーツ選手が引退後に活躍できる場をつくりたい」と野球界には未練がない様子。監督就任への意欲を問われると「東京近郊の球団ならやぶさかではないですね。家から近いんで」と“石井節”をさく裂させた。
サラリーマン生活にも慣れたようで「最近、会議で険しい顔をすることを覚えました。眉間にしわを寄せておけば間違いない」とどこまでもマイペースだった。
幻冬舎刊、1404円。
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