望月菊磨さんが個展
数々のパブリック彫刻で知られる望月菊磨さんが、真ちゅうなどの工業用の素材を使って「和」の造形をつくり出すというテーマに挑戦した「時の庭」展が、東京・田園調布の「みぞえ画廊」で開かれている。30日まで。
和風住宅を転じた同画廊は、閑静な住宅街の一角にある。玄関を入るとびょうぶ形のメタルドローイング「日・虹・月・星」が迎えてくれる。金箔地に見えるが、真ちゅうの板にカッターで目地を入れた。虹や月などの図像は鉛でできている。
メーンの「時の庭」は、真ちゅうの岩とアルミの草、その中央の天を目指すかのような造形物で構成する。それが木の象徴であることは、先端近くに取り付けられた1枚の葉が示している。
自然の木々は紅葉し、やがて落葉して姿を変えていく。対して真ちゅうの木は一瞬の永遠性を見せる。しかし、変化しにくい真ちゅうでも、やがて古色を帯びる。二重、三重に変化する時間に思いが至る。都心のコンクリート空間ではなしえない試みだ。
問い合わせはみぞえ画廊、電話03(3722)6570。
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