村上春樹さん、香港若者を激励
【香港共同】作家の村上春樹さんが2日、昨年の香港大規模デモ参加者の女性(22)に対して「民主化のためにあなたがたが行ったことは、決して無駄には終わらないと思います」と激励するメッセージを、読者と交流するウェブサイト「村上さんのところ」に掲載した。
約2カ月半続いたデモでは、学生らが次期行政長官選挙の民主化を求めたが、具体的成果は無く収束した。女性は「香港は再び日常に戻っており、人々は何もなかったかのように生活している」と指摘。若者の無力さを知ったとして、村上氏に「私は何ができるのか」と質問していた。
村上氏は「一見『何もなかった』ように見えるかもしれませんが、足の下の見えないところで、何かは確実に変わっているはずです」と強調。
さらに「あなた方が行ったことはひとつの事実として残っていますし、その事実は誰にも無視することのできないものです。世界はその事実のぶんだけ変化したのです」と述べて「これからもがんばって、ほんの少しずつでもいいから世界を変えていってください。僕も応援しています」と結んだ。
村上氏はデモが行われていた昨年11月にも、ベルリンで行ったスピーチで、今の世界には「民族、宗教、不寛容といった壁」があると指摘し「壁と闘っている香港の若者たちにこのメッセージを送りたい」とエールを送っていた。
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