近ツリが「3Dツアー」
眼鏡型の「ウエアラブル(身につけられる)端末」をかけるとCGで再現された江戸の街を見ることができる「3Dツアー」を、近畿日本ツーリストが始めた。新しい観光の手段として注目され、海外の旅行会社からも問い合わせが来ているという。
今回始まったのは「江戸城天守閣と日本橋 復元3Dツアー」。皇居の江戸城があった場所でウエアラブル端末「スマートグラス」を装着すると、目の前に天守閣が現れる。首が痛くなるくらい見上げないとてっぺんが見えず、かつての威容を実感できる。現在は芝生が広がる本丸大広間跡では、畳の間に大名がずらりと居並ぶ。
皇居では数カ所、スマートグラス着用ポイントがあり、360度のパノラマで立体的に楽しめる。日本橋でも江戸、明治期の街のにぎわいを再現。外国人観光客向けに、英語のイヤホンガイドも利用できる。
近畿日本ツーリストの安岡宗秀・未来創造室部長は「外国の方は城や街道を好むが、東京には(歴史的な)ランドマークがないと言われた。日本の高いバーチャルリアリティー(仮想現実)技術を生かして、歴史的なものと接触できるツールを作りたかった」とツアーを企画した理由を語る。2020年東京五輪に向けて外国人客の増加も念頭にある。
歴史的な建造物や場所だけでなく、観光地で天候が悪い時に晴れの景色を見せたり、他の季節の様子やお祭りなどイベントの光景を映したり…とさまざまなアイデアが検討され、すでに自治体からの引き合いもあるという。「観光の補完機能として、地域観光の誘客にもつなげたい」と安岡部長は話している。
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