白水社(東京都千代田区)は3日、作家井上ひさしさんの著書「初日への手紙」に他の人の論文が井上さん自身の文章として掲載されていたと発表した。同日、ホームページで「論文の一部であることを発見するに至らぬままの刊行となりました」と編集上のミスを認めて謝罪、在庫分に訂正表を挟むなどの対策を取るという。
2013年刊行の同書は、井上さんの死去後に白水社が企画、編集。井上さんが東京裁判3部作の舞台制作過程で、劇場担当者に送った手紙や資料から、創造における苦悩などをまとめた。戦争責任問題について考えを述べた部分が、大沼保昭・明治大特任教授の論文とほぼ同じだったという。
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