渋谷の新人芸者2人お披露目
いまでは若者の街となった東京・渋谷に残る花街文化を支えようと、修業を積んできた新人芸者2人がお披露目の舞台に立った。これで2人にまで減っていた渋谷の芸者は4人に倍増し、伝統を守り続ける。
デビューしたのは、葉月さんと三吉さん。茶屋「藤むら」(渋谷区円山町)を切り盛りしているベテラン芸者の喜利家鈴子さんが目黒雅叙園(目黒区)で主催した第1回「まるやま会」というディナーショー形式の席が初舞台となった。
2人は、黒の着物姿であでやかに登場し、舞踊や太鼓を披露した。80人余りの観客たちは、テーブル席で日本料理を味わいながら芸を楽しみ、時には立ち上がって写真を撮る人も。演目が終わるたびに盛大な拍手と歓声が鳴り響いた。
1920年ごろの渋谷は花街として栄え、400人を超す芸者がいた風情のある街だったという。やがて関東大震災や戦災、バブル経済の崩壊を経て街が様変わりし、芸者は激減した。
将来を背負っていく新人2人を育てた鈴子さんは「円山町に芸者が4人いることをぜひ知ってほしい。灯は消えていませんよ」と力を込め、「これからも見守っていただいて、渋谷の一角に伝統を残していきたいです」と語った。
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