花園神社の社報挿絵を描く
唐十郎さんの劇団が紅テントを境内に設け、アングラ演劇を発信したことで知られる東京・新宿の花園神社。その神社の社報の挿絵を若手美術家の青島左門さん(33)が描き続けている。
社報「花その」で連載が始まったのは2011年2月。その年のえとを毎月の社報に描く。季節感を交えながらユーモラスな作品になっている。
最新号では、月、団子を配置した月見の絵に、ことしのえとの馬が草を食べている姿を描いた。「花より団子ならぬ、月より草です」と、青島さんはほほ笑む。
花園神社について、「アバンギャルドを受け入れ、文化をつくっていく場所。神社の本来あるべき姿があるのかもしれません」と話した。
絵だけでなく、舞台美術、彫刻、絵本…。ジャンルを超えて作品を手掛ける。その原点は舞踏家大野一雄さんの下で舞踏を学んだ2年半だったという。「技術的なことではなく、表現する上での魂というか、最も大切なことを教えていただきました」と振り返った。
2冊目となる絵本「ほわほわ」(福音館書店)の原画を並べた展覧会が、ことし東京・銀座の美術館で開催された。
現在、長野県大町市に住んでいる。同市で開催中のイベント「信濃大町 食とアートの廻廊」(24日まで)にも参加している。
舞台は、アーケードのある商店街だ。タイトルは「川と川」。つなぎ合わせた約120メートルの布に、地元の小学生らと一緒に青や黄色で川を描き、商店街の天井を覆った。
表現する場所を移動する。青島さんは「その土地ごとの風土を引き出す作品を作っていきたい」と語った。
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。