平安時代の金字経から黄銅
鳥羽上皇の皇后・美福門院が発願した「紺紙金字一切経」(1159年ごろ)とみられる平安時代の経典の金文字に、黄銅が混ざっていることが分かり、奈良大(奈良市)が21日発表した。日本では江戸時代に普及したとみられている黄銅の使用が、平安時代後期までさかのぼることを示す発見という。
奈良大の西山要一教授(保存科学)と東野治之教授(文化財史料学)が、蛍光エックス線を使って分析した。
東野教授は「金字経は本来、金で書かれるもので、経の制作者が金の代わりに黄銅を混ぜ、利ざやを稼いでいたのでは」と話している。
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