京都の芸舞妓が日本橋で発表会
京都五花街の一つ、上七軒の芸舞妓たちが、日本橋三越(東京)の三越劇場で、歌舞伎公演など国内外で活躍する長唄の杵屋利光さんが主宰する「伯声会」の発表会に参加、唄や小鼓、笛太鼓などの鳴り物で花を添えた。
立ち方(舞踊)のイメージが強い芸舞妓だが、上七軒では舞妓としてデビューする「店出し」のころから、日本舞踊に加え三味線や長唄などの稽古にも励む。杵屋さんは5年ほど前から上七軒で稽古をつけているという。
発表会ではそれぞれ個性が光る「春秋」や「汐汲」といった唄を披露。大トリは、粋な「風流船揃」に小鼓や太鼓、笛で登場し、場を華やかに盛り上げた。
芸妓梅嘉さんは「踊りを踊らせてもらうのも、地方さん(三味線や唄)をお稽古していないと、情感や風情を込めて踊れしまへん。お座敷では(長唄の)『二上がり』いうて唄の中でもちょっと艶っぽい、はんなりしたところをするのどすえ」と話していた。最近は、地方を志望し、熱心に取り組む芸妓も増えているという。
舞台慣れしている芸舞妓だが、東京で一般のお弟子さんに交じっての発表会は初めてとあって少し緊張気味。芸妓市桃さんは「唄は思っているほど声が出ないところなどが難しおす」。舞妓の市まりさんと市知さんは涼やかな色合いの着物にだらりの帯。「デパートの中にこんな立派な劇場があるなんて」と驚きながらも「出さしてもろうて、うれしおす」とにっこりし、ロビーでも注目を集めていた。
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