漫画家の井上雄彦さんが紙すき
「バガボンド」「スラムダンク」などの人気作品で知られる漫画家井上雄彦さんが、手すき和紙で有名な福井県越前市で、特別展用の巨大画を描くための和紙を製作した。井上さんは「紙作りから始めることによって、一人の人間が意図しない何かが表現できればと思う」と意気込みを語った。
和紙はスペインの建築家ガウディをテーマに7月にスタートする「特別展 ガウディ×井上雄彦 シンクロする創造の源泉」の出品用で、高さ約3メートル、幅約10メートルのサイズは世界最大の手すき和紙とされる。
「漉き槽」と呼ばれる容器に紙の材料をまぜた水を張り、すのこですくい上げると和紙が出来上がる。井上さんは大正時代から続く製紙所で、大勢の職人の手を借りながら真剣な表情で紙をすいた。「腰は痛いし肩は痛いし、すごく大変な仕事。筆で落とす墨に、越前和紙がどんなレスポンスをしてくれるか、とても楽しみです」と井上さん。乾燥後、東京のアトリエで絵付けに入る。
漫画作品のみならず、墨と筆を使った肉筆画も定評の井上さんはこれまでに京都・東本願寺のびょうぶ絵などに挑戦し、作品展は大勢のファンが詰め掛けるなどカリスマ的人気となっている。
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