写真集の魅力、食堂で発信
「『女の子写真』の時代」や「写真美術館へようこそ」などの著作で知られる写真評論家飯沢耕太郎さんの5千冊以上の蔵書を、食事をしながら楽しめる「写真集食堂 めぐたま」(東京・恵比寿)が女性や写真ファンに人気を集めている。
今年2月に開店した「めぐたま」には、ランチの定食を頬張りながら写真集を眺める女性や、夜にはワイングラス片手に写真談議に花を咲かせるグループ連れの姿が。飯沢さんが30年以上かけて集めた写真集が部屋の壁両面にぎっしりと並ぶ。
1920年代から最近までの和洋書で、中には写真家荒木経惟さんのデビュー当時の私家版「センチメンタルな旅」やウィリアム・エグルストンの出世作など希少本も。「写真集が持つ独特の手触りや世界観は、デジタル化が進んでも、代替が利かない」と飯沢さん。
この食堂を企画したのは、飯沢さんや料理担当のおかどめぐみこさんら3人。「日本のおうちごはん」をコンセプトに、煮込み料理などを提供する。飯沢さんは「恵比寿には、東京都写真美術館が1995年に開館して以降、写真関連の洋書店やギャラリーが増えました。写真文化の担い手がつながる場をつくり、一緒に盛り上げていきたい」と意気込んでいる。
毎月、飯沢さん主催の「写真集を読む会」や、写真家やグラフィックスデザイナーらを招いた「写真集を語り尽くす会」などイベントも開催。詳細は同店のホームページで。
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