正倉院、大修理で軒先2cm上に
宮内庁正倉院事務所(奈良市)は24日、約100年ぶりの大修理を終えた正倉院について有識者による懇談会を開き、内部構造の補強で軒先が平均2センチ上がり、瓦のふき方の変更で屋根が約3トン軽くなったことを報告した。
鈴木嘉吉元奈良文化財研究所長らが修理の仕上がりを視察。鈴木氏は「以前に比べて軒先がきれいな曲線を描き、補強もうまくいったのではないか」と評価した。
また再利用した奈良時代の平瓦は、奈良時代に普及したとみられる「一枚作り」が35%しかない一方で、より古い技法の「桶巻き作り」が65%を占めることも分かり、瓦の技法の変遷を知る貴重な成果を得た。
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