冷泉家、伝統の吉書始め
和歌の師範として知られる冷泉家(京都市上京区)で2日、約60年ぶりに再び使えるようになった井戸の水を用いて墨をすり、和歌を書き上げる年初の伝統行事「吉書始め」が開かれた。
復活した井戸は「松の井」と呼ばれる。冷泉家の年中行事で使われていたが、昭和30年代以降、周辺の開発の影響で枯れたという。昨年12月、地下の水脈からパイプで送水し、復活した。
25代当主の冷泉為人さん(69)が松の井の水を硯に移し墨をすった後、和紙に「六十歳をへだて涌き出づ松の井の清水にうつる初春の影」としたためた。
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