「祝婚歌」などの詩で知られる詩人の吉野弘(よしの・ひろし)さんが15日午後9時48分、肺炎のため静岡県富士市の自宅で死去した。87歳。山形県出身。葬儀・告別式は密葬で行った。喪主は妻喜美子(きみこ)さん。
石油会社に勤める傍ら、川崎洋さんと茨木のり子さんが創刊した詩誌「櫂」に参加。谷川俊太郎さん、大岡信さんらと交流した。30代半ばに退社してからは、コピーライターに転じた。
在職中に携わった労働運動体験に根ざした詩を発表。平易な言葉で人々に呼び掛けるような詩は、他者への柔らかいまなざしに満ち、日常にある不条理をすくい取った。
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