由布市長選・市議選2013

岐路に立つ由布(上) 合併8年市政の行方

[2013年10月16日 10:29]

本庁舎方式の市民説明会で、湯布院町内では商工観光課が町から消えることへの異論も

本庁舎方式に温度差 懸案、一歩前進したが…

 挾間、庄内、湯布院3町が合併し、由布市が誕生して8年。本庁舎の位置については合併協議で難航して以来、3町に機能を分散する分庁舎方式としていたが、2015年9月を目標に、増築した庄内庁舎に課を集中させる本庁舎方式を市が提案。今年3月の市議会で本庁舎設置関連費を盛り込んだ当初予算が可決され、合併時からの懸案事項が一歩前進した。
 市によると、業務の効率化や職員数、庁舎間移動に伴う経費の削減といった効果があり、挾間、湯布院には振興局を置いて窓口機能を存続させる。事業費は8億2300万円と想定。国が返済額の7割を肩代わりする合併特例債を使う方針で、市の負担は2億5260万円となる見込み。
 市は6~8月、十数カ所で本庁舎方式を含む行政組織再編計画の市民説明会を初めて開いた。参加者からは「数十年先でも使える立派な物を」といった肯定的な意見の一方、多額の出費を懸念する声も。数々の観光イベントが開かれる湯布院町では商工観光課が町から消えることへの異論が寄せられた。首藤奉文市長は「大幅な修正は難しいが、できる限り調整していきたい」などと答えた。
 市政運営を大きく左右する事業だが、盛り上がりに欠ける会場も多かった。議員や職員を除けば参加者は計229人で、1回当たりの平均は18人程度。最少で3人という会場もあり、市民の受け止め方には温度差がある。
 挾間町内の男性(63)は「合併のメリットは業務の集約による効率化にあるはずなのに、実現まで8年かかった。地理的に中央に庁舎を配置するのはやむを得ないと考える人は多く、周囲の関心は低い」と話す。
 本庁舎は本年度中に増築部分の用地取得や設計を進め、来年度着工を予定している。
 
 任期満了に伴う由布市長選、市議選は20日告示、27日に投開票される。市長選には現職の首藤奉文氏(69)と新人で市議の高橋義孝氏(46)が出馬を表明しており、8年前の合併時以来の選挙戦となる見込み。市の将来を占う決戦を前に、現状や課題をリポートする。

(27日、20時より開票速報を行います。)

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