「脳死臓器移植」(新しい人権:自己決定権)
【 中学校実践/社会(公民)/3年 】
1. 新聞活用のねらい
- 新聞記事を教室での学習と実社会とをつなぐ「窓口」としてとらえ、社会的事象に対する興味・関心を持たせるとともに具体的な事実を通して学習理解を深めさせる。
- 法改正による臓器提供の現状と課題について、さまざまな面から考え、主体的に判断する力を身につけさせる。
2. 指導計画
- 新しい人権として認められている「自己決定権」の具体的な事例として扱う。
- 「臓器提供について、自分ならどう意思表示できるか」という学習課題に対して、この1時間の授業の中で答えを導き出すのはなかなか難しいと考えられる。臓器移植についての調べ学習を設定することで自分の考えに根拠を持たせたい。
- 法や制度など変化の激しい社会の中で、自分がこれからどう生きていくか絶えず問われる。この授業で扱う「臓器提供」の学習を通して、より良い社会のあり方を考えていくきっかけとしたい。
3. おもな学習活動 学習課題:「臓器提供について、自分ならどう意思表示できるか考えよう」
おもな学習活動 | ねらい |
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①「臓器提供意思表示カード付きのリーフレット」利用し、臓器移植についての関心を高める。 | |
②改正臓器移植法が施行され、日本の脳死臓器提供がどのように変わったかを読み取る。 ・「脳死」「心停止」の意味については、教師側が補足説明をする。 |
【資料➊】から次のことを読み取る。 ○臓器提供を待ち続けている多数の移植希望患者 ○施行前と後での脳死臓器提供の変化 ○施行後の臓器提供の増加 |
③移植医療に対して、どのような権利があるのかを知る。 | ○臓器を提供する権利・提供しない権利 ○臓器の移植を受ける権利・受けない権利 |
④臓器提供について、自分ならどう意思表示できるかさまざまな立場から考え、自分の言葉でまとめる。 ・提供する側として ・受ける(受けた)側として ・それぞれの家族の立場として |
○臓器移植を受けた側として、【資料➋】から男性の心情を読み取る。 |
⑤臓器提供についての考えを発表し、さまざまな考え方があることを学ぶ。 |
4. 評価の観点
- (関心・意欲・態度)
- ・臓器移植について関心を持ち、新聞記事からさまざまなことを読み取ろうとしたか。
- (思考・判断・表現)
- ・臓器提供について、さまざまな立場から考え、自分の言葉でまとめることができたか。
- (資料活用)(知識・理解)
- ・改正臓器移植法の施行前と後での脳死臓器提供の変化を読み取ることができたか、また、変化を理解できたか。