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破って楽しむ…情緒安定リレーエッセーのバックナンバー

切った新聞を紙吹雪のようにして遊ぶ園児

 NIEの研究に取り組む機会をいただいた際「えっ? 幼児教育に新聞?」と一瞬戸惑いを感じた。しかし、日々の教育・保育内容をNIEの視点から考えてみることで「子どもたちにとって新聞が新たな教材になるかもしれない」と考え、研究を進めていくことにした。
 年少組にとって初めて経験する「たくさんの新聞紙を破る活動」。自宅での新聞購読の有無によって、関わり方に多少の違いはあったが、保育教諭と共に、とにかく思う存分新聞紙を破ることを楽しむことで、特に入園当初は、情緒の安定を図ることもできた。
 年中組では年少組での経験が生かされ、破るだけだった新聞紙の性質にも気付いた。「縦に破ると破りやすい」「ゆっくり破ると長くなる」など、新聞紙遊びは広がりを見せ、変化していった。
 そして、年長組になると「新聞紙」ではなく「新聞」の写真や記事内容にも興味・関心を持ち「錦織選手だ」「浅田真央ちゃんはかわいい」「震災への思い」など、これまでの知識を重ね合わせ、友達と一緒に記事内容に深く関わる姿へと変わっていった。保護者と共に『MY(我が家)新聞作り』にも挑戦した。まさに「新聞紙」から「新聞」に変わった瞬間であった。

麻生友紀

富士見が丘幼稚園主任=大分市

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