やってみよう~LET'S TRY IT !

知らない世界と出合うリレーエッセーのバックナンバー

床に新聞を広げて調べる山口小の4年生

 「拝啓 中津市長様」と題し、中津市長選の記事を基に行った授業。子どもたちは地域のコミュニティーに聞き取りに行き「今は、こっちの方が大切やねん」と大人以上に選挙公約を考えた。そして、立派な提案書を作り上げた。
 「新聞、おうちでとって読んでる人?」。手を挙げた子は、ほんの数人。NIEの実践は「これで授業ができるだろうか」と思いながら始めた。
 ところがいざ始めてみると、休み時間も休まずに課題に取り組む姿。「先生、机小さいけん、床に広げて見ていい?」と場所もかまわず、記事に目をやる。教科書にひと味加えただけで、子どもたちの興味関心が一気に高まる。多種多様な考えが生まれてくる。
 ページを開けた瞬間に、自分の知らない世界に出合う。そして、友達と意見交流をしながら、大人の世界を読み解こうとする。最後に子どもなりの考えを持ち、語る。
 その姿を見るたびに「次は何をしよう」と考える。子どもたちも「次は何だろう」とわくわくしている。授業が変わる。そして、授業を変える。

松本俊也

中津市山口小学校教諭

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