2016.01.09

　新聞コラムを読みながら、展開の鮮やかさにほれぼれします。こんなふうに文章を書ければどんなにか楽しいだろうと取り組んだのが、古典で和歌の授業を終えた後、コラムのように和歌を引用して作文するというものでした。この授業は予想をはるかに超えて好評でした。「確実に何かをつかんでいく実感があった」「自分にこんな文章が書けると思わなかった」「古典の普遍性に感動した」「古典がいつもこんな授業ならいいのに！」―。
　手順はこうです。（１）和歌を読解する（２）詩歌を引用したコラムを参考に構成を学ぶ（３）提示された新聞記事と心情的に通ずる所のある歌を組み合わせる（４）記事について感想を書く。和歌や記事の選定など課題山積のこの取り組み、改善を加えて再挑戦するつもりです。
　ＮＩＥの取り組みに、高校の、特に教科の実践例は多くありません。でもだからこそ、工夫の余地は存分に残されている気がします。私が本当に生徒に望む国語力は何で、生徒が本当に欲している国語力は何なのか。その問いを前にすると、新聞はやはり外せません。教科書の「補足」としてだけでなく、「時事ネタ」としてだけでなく、もっと何かこう…。そんなことを思う今日このごろです。

茨木里香

鶴崎工業高校、ＮＩＥアドバイザー