「発信」する力を養う
大分のＮＩＥは「新聞でわくわく・社会と向き合うＮＩＥ」として、次世代の子どもたちの社会性、市民性の育成を大きな目標としています。基本的な学習の進め方は（１）新聞と親しむ（２）新聞を読んでみる（３）新聞で考えてみる―ですが、自分の意見を新聞に投稿したり、「○○新聞」を作ったり、はがき新聞を書いたりと「発信」の場を取り入れると、より楽しく学習できるようです。
情報を受け取る力だけでなく、発信する力を養うのもＮＩＥ。新聞記事を使ってはいませんが、異色の実践例を一つ。「マイ・オリジナル名刺」作りです。「私とは何者か」というテーマで自己紹介文を書いていたのを踏まえ、伝えたい「私」の情報を精査していきます。教師が「名前は必ずいるよね」「住所や電話番号は？」「個人情報の保護といって書かなくてもいいこともあるんだよ」「でもアピールしたいことは書きたいよね」などとアドバイスしながらにぎやかに活動。最後にラミネートして裏側に安全ピンを付けて名札型の名刺を完成させました。児童は大人になった気分で誇らしげ。みんな大喜びでした。
新聞は社会を映し出す鏡といわれますが、逆にその鏡に映し出された「私」とは何者かを考えることもＮＩＥでは可能です。
塩川 美紀
日田市三芳小学校、ＮＩＥアドバイザー
