NIE

異なる知見に触れるNIEのバックナンバー

大分市戸次中1年生

気になった記事を題材に

記事内容を報告し合う各班
記事で知った事柄を、インターネットでさらに調べる生徒
油布和也教諭

 中学校の国語に「話題や方向を捉えて話し合おう」という単元がある。国語では「読む」「書く」だけでなく「聞く」「話す」力を育てることも重要。話し合いに主体的に参加する、方向を捉えて発言する、司会の役割を理解する―などを目的にしている。

 大分市戸次中では話し合いや調べ学習の材料として新聞記事を活用。1年生55人が気になった新聞記事の内容を班で発表し、それぞれの発表について意見を交わし合った。

 1年生は1月下旬、記事を準備し発表原稿を作成。次の時間、油布和也教諭が「発表への感想を互いに出し合ってください。考え続け、疑問を出し続けることが大切です」と促し、発表が始まった。

 選んだ記事は新型コロナウイルス関連(大分合同新聞1月23日付朝刊3面)の他、米国とイランなど国際関係、防災、エネルギーなど。近い将来は当事者になるだけに、受験関連の記事も多く見られた。

 記事が伝えた事象への賛否を述べ合ったり「そもそもこの言葉ってどういう意味だろう」と悩む姿も。出た意見は各発表者がメモし、より深く理解したくなったことはパソコンで調べた。発表の授業は図書館で実施したので、ネット検索で知りたい情報が出てこなかった際などに、図書資料を探し回る生徒もいた。

 いくつかの班が前に出て、発表を振り返った。「みんなで調べることで、一人では分からなかったようなことも調べられた」「質問や疑問を友達が出してくれて、新しいことが分かった」「班員のいろんな意見が聞けて良かった。話し合いは楽しい」―などの声が上がった。普段はあまり目にしない新聞記事を題材にすることで日常とは違う内容の話が弾み、異なる知見に触れる楽しさを知った様子だった。

生徒の感想

ニュース通じて新しい発見和田倖明さん(13)

 新型コロナウイルスの記事から大分市と武漢市の友好関係が分かるなど、ニュースを通じて新しい発見があった。新聞は日本のことなどが詳しく書かれていて、学習に役立つアイテムだと感じた。

「新聞は難しい」だけじゃない戸次美津絵さん(13)

 ドラえもんの秘密道具が現実にどれくらい開発が進んでいるか、まとめた記事を題材に話し合った。いろいろ進んでいて、新聞の記事はかなり難しいイメージがあったけど、面白い記事もあるんだなと思った。

1人で考えるより良かった坂本耶恵さん(13)

 学校教育や国際関係など、出し合った記事について皆で考え、意見を深めることができたのが楽しかった。1人で考えるよりいいと思った。身近なニュースをもっと知り、学習に生かしていきたい。

知らなかったことが分かる増野佑馬さん(13)

 それぞれが記事を持ち寄れば、今まで知らなかったことを互いの情報にできる。新型コロナウイルスの記事を見て、病気になりたくてなったわけではない感染者が困らない社会ができたらいいと思った。

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