NIE

「バトル」で発想力高めるNIEのバックナンバー

中津市小楠小5年生

せりふ考え、言葉に親しむ

張り出された「今月のお題」を見て言葉を考える児童たち
お題を見ながら浮かんだ言葉を書く
小野次也教諭

 大分合同新聞社のこども新聞「GODOジュニア」には第2土曜日発行分に、お題の写真を見て吹き出しの中に入る面白いせりふを考える「吹き出しバトル!」というコーナーがある。

 活字媒体に触れるきっかけをつくる、言葉に親しむなどを目的に、全校または学年全体で取り組んでいる小学校も多い。中津市小楠小では5年生らが応募を続けている。

 1月中旬、「吹き出しバトル!」が載ったGODOジュニア77号(1月11日発行)の8面とお題写真の拡大コピーを、小野次也教諭が5年生の教室で後部の黒板に張った。途端に多くの5年生が群がり、お題に注目。面白い言葉が浮かんだら、備え付けの紙に名前と一緒に書く。発行翌週の金曜日までが掲示期間。1人がいくつ書いてもよい。すぐ書く子もいれば、ぎりぎりまで考える子もいる。

 職員室前にも紙面を掲示したところ、5年生以外の投稿も増加。5年生と合わせ、1月は約200作が集まった。児童が書いた紙をそのまま、小野教諭が大分合同新聞社にファクスして応募している。同コーナーは毎月横綱1人を含む9人が入賞する仕組み。これまで同校からも多数の入賞者が出ている。

 小野教諭は同校で、国語の学力向上支援教員を務めている。NIE(ニュースペーパー・イン・エデュケーション=教育に新聞を)の実践指定を受けている前任校の同市山口小で、新聞を教材に使う活動に興味を持った。楽しみながら発想力を高め、使える言葉の種類を増やそうと、同コーナーに児童の参加を促している。

 同コーナーだけでなく俳句作品の新聞投稿などにも挑戦。新聞を児童の意欲を高めるツールとして役立てている。「新聞にはいろんな言葉が載っている。言葉を大切にできる人に育ってもらいたい」と小野教諭。こども新聞をきっかけに新聞と接する機会が増えることで「社会で今起きていることに注目し、自分の言葉で意見を持てるよう成長してほしい」と期待している。

児童の感想

使える単語や熟語が増えた田辺萌絵(もえ)さん(11)

 お題で出てくる地域のことを知らないとどんなセリフがいいか分からないけど、友達と話し合うのが楽しい。吹き出しバトルをやっているうちに、俳句とかを作る際に使える単語や熟語の種類が増えた。

いろんなアイデア出てくる武石昊土(ひろと)君(11)

 今まで新聞をあまり目にしなかったけど、吹き出しバトルをやることで少しは目にするようになった。お題に適した言葉を書くのは大変だけど、友達と話しているといろんなアイデアが出てくるので楽しい。

新聞って面白かったんだな井堀琳汰朗君(11)

 アイデアを考えるのに時間はかかるけど、楽しいことを皆で考えて出すのが好き。新聞ってこんなに面白かったんだなあと思った。話題になっている場所とかに「記者さんが行ってみた」という記事が読みたい。

友達と話すきっかけになる山平大虎(たいが)君(11)

 セリフを考え、友達と見せ合って「これ面白いね!」とか、仲良く言い合うのが楽しい。いろんな友達と話すきっかけもできる。6年生までに5回入賞するのが目標。1回は横綱を取ってみたい。

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