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“アンテナ”張り巡らせるNIEのバックナンバー

別府溝部学園高校2年4組

時事を知り、深く学ぶ

グループで意見を交換する生徒たち=別府溝部学園高校
グループごとにまとめた意見を発表
山崎有華先生

 別府溝部学園高校で看護師を目指し、専門知識の習得に励む2年4組の33人。「看護技術」という授業の中で、はしか(麻疹)を取り上げた新聞記事から、感染症の防止について教科書と社会の今をつなぎ、知識を深めた。

 沖縄県でのはしかの流行を受けて感染防止策などをまとめた、4月29日付朝刊21面の記事を教材にした。山崎有華先生はまず生徒に記事を読んでもらい「はしかが全国で流行した理由や、予防するためにどうしたらいいかをワークシートにまとめてください」と指示した。

 ワークシートには過去の看護師国家試験問題から、はしかに関連した問題を抜粋し添付。山崎先生は「記事と国家試験の問題を照らし合わせ、関係があると考えられる情報を書き出してみてください」と次の課題を出した。5年一貫で学ぶ2年生にとって看護師の国家試験はまだ先と思いがちだが、知識を得るアンテナを教科書以外にも早くから張り巡らせてほしいという思いも込めた。

 分かったこと、考えたことをグループでまとめ、発表した。記事からは無料の定期予防接種は2006年以降2回受けることになっていることやウイルスの感染経路、特徴的な症状、重症化するとどうなるか―などを整理。予防接種をきちんと2回受ける大切さなどを、予防策として挙げた。

 「時事的な問題が、最近の国家試験では出るようになってきています。常日頃からニュースを気にしていてください」と、社会の動きに関心を持つよう求めた山崎先生。「新聞には医療のことが結構載っています。情報を皆でまとめてより分かるように伝えるという今回の活動を、実習のプレゼンなどに役立ててください」と、情報を整理して有効に使うよう呼び掛けた。 (宗岡博之)

生徒の感想

いろいろな意見聞けた峯松えりかさん(17)

 記事で学ぶ学習は自分で考えることが多く、班の人ともたくさん交流でき、いろいろな意見が聞けてよかった。はしかの予防接種についての部分で、1回しか接種していない時代があったのに驚いた。

「今」を知ることができた添田真季さん(16)

 新聞はあまり手に取って読まないが、教科書と文章の書き方も違うし、教科書に載っていない今のことも知ることができた。自分の意見をしっかり持って行動できる、頼りにされる看護師になりたい。

ニュースを学習に生かす下村心音さん(16)

 新聞をめくってみると、国家試験のキーワードがたくさん出ていたので、読むことは大切だなあと思った。新聞に出ていることをこれからもしっかりチェックして、ニュースを学習に生かしていきたい。

新聞を読んでいきたい木村優太さん(16)

 記事には実際に起こったことが書いてあり、読んでグループで話したことは、看護師を目指していく上でいい参考になった。国家試験でニュースに関連したことが出るので、新聞を読んでいきたいと思った。

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