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戦時中の暮らしに驚きNIEのバックナンバー

国東市国東小学校2年生

体験談や記事から学習

記事から分かったことを発表する2年生
戦時中の生活について話す友成和子さん
平塚和幸教諭

 国東小学校は6日の登校日を「平和を願う日」としている。2年生32人は1学期、新聞記事も使いながら事前学習。十分に食べ物がなかった戦時中の生活について学んだ昨年をあらためて思い出し、戦争の時代に小学生だった市民の話も聞いた。

 「昨年の8月6日、何したか覚えてる?」。平塚和幸教諭が児童に問い掛けると「映像見た!」「すいとん食べた!」とすかさず声が上がった。映像とは朝に流れた広島のニュースのこと。すいとんは毎年、PTAの家庭教育学級が戦時中の暮らしを考える教材として作ってくれている。

 すいとんから昔の生活を考えることなど同校の平和学習を取り上げた、2016年8月16日付朝刊6面の記事を読んだ。文章の最初の方に主な要素が集まっていることなど、新聞記事の特性を平塚教諭が説明。「記事に登場する人たちが願っていることを探してください」と指示した。

 ▽今の食生活がいかに恵まれているかを知ってほしい▽原爆投下された広島の“暑さ”に思いを巡らせてほしい―。いろんな思いが読み取れた。平塚教諭は「作ってくれているすいとんに、いろんな気持ちが込められていることが分かりました。今の暮らしに感謝しましょう」と呼び掛けた後「当時を知っている人から、実際に話を聞いてみましょう」と、友成和子さん(85)=国東市国東町川原=に話のバトンを渡した。

 小学2年生で台湾に渡り、終戦後に帰国した友成さん。食べ物が十分になかったことを話すとともに、戦争のための作業を強いられ勉強も満足にできなかった時代を振り返った。「勉強できず、運動場で鉄砲の弾の材料にする砂鉄を集めていた。戦争っち、ほんと怖い」。児童は友成さんの話に真剣に聞き入った。 (宗岡博之)

児童の感想

たくさん死んで、恐ろしい佐々木宗祐君(8)

 昔戦争があって人がたくさん死んだり、生まれる前にこれだけいろんな恐ろしいことがあったのでびっくりした。新聞の文はもっと難しい言葉があるのかなと思ったけど、あんまりなかった。

勉強できないなんてびっくり西田侑加さん(7)

 友成さんが小学4~6年生のとき、仕事をしていて学校で勉強ができなかったと聞きびっくりした。自分だったら悲しい。新聞は今まであまり見たことがなく、読んだらやっぱり難しかった。

話を聞いて悲しくなった市川勇太君(7)

 1年生の時に食べたすいとんは、お餅みたいだった。友成さんが実際にあったこととかを話してくれて、悲しくなった。新聞の記事はあんまり見たことなかったけど、書いていることは分かりやすかった。

今の時代は幸せだと思った鹿野亜衣莉さん(7)

 戦争中、学校で砂鉄や古くぎなど鉄を集めていたという友成さんの話にびっくりした。昔はすいとんの味が薄く、食べる物が野菜や麦しかなかったと聞いて、今の時代は幸せだなあと思った。

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