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目指す“大人像”考えるNIEのバックナンバー

宇佐市宇佐小学校6年生

18歳で成人になったら

新聞記事を使い18歳成人について学ぶ児童たち
成人年齢について考えた意見を発表する6年生
辛島広文教諭

 歴史を踏まえ現代社会を学ぶ、小学6年生の社会科。大人として責任を持って生きる時期が少しずつ近づく一方、今年の通常国会では成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案の提出が予定されている。

 「成人式も18歳?」という見出しの記事教材(大分合同新聞1月8日付夕刊1面)から「大人」について制度の動きを知り、目指す“大人像”をあらためて考える授業に、宇佐小学校の6年生21人が取り組んだ。

 辛島広文教諭が「法律が改正されれば18歳でもう大人。いい点や心配な点を考えてみましょう」と質問。児童からは「世界でも多くの国々が18歳成人。世界と一緒になるのはいいこと」という声の一方で「成人年齢引き下げのタイミングによって、成人式に出られなくなる人が出るのでは」という懸念も上がった。

 「6年後と8年後、成人式はどっちがいい?」と聞くと、8年後に手を上げた児童が多数。記事にある「18歳のほとんどを占める高校3年生は大学受験シーズンの真っただ中」が気になったようだ。

 辛島教諭がさまざまな事柄について「今の法律では18歳から? 20歳から?」と尋ねた。選挙権、飲酒、たばこ、自動車免許などは正解の児童が多かったが、少年法での「少年」の定義や、サッカーくじ(toto)を買える年齢などは正解が少なかった。

 いずれは成人になる児童。どんな成人になりたいか―。「みんなから信頼される人に」「人に迷惑を掛けず、役に立ちたい」などの意見が出た。辛島教諭はかつて宇佐市での成人式で成人代表としてスピーチした思い出を話し「思ったのはとにかく古里宇佐が好きだということ。みんなも成人式を迎えたら、帰ってきて互いに会ってほしい」と呼び掛け、授業を終えた。 (宗岡博之)

児童の感想

引き下げると困ることも…安倍優香さん(12)

 成人年齢を18歳に引き下げると困ることもたくさんあるから、20歳のままでもいいんじゃないかと思った。成人になったら自分のことを自分できちんとできて、みんなの役に立てるようになりたい。

しっかりした大人になりたい田口侑樹君(12)

 成人式で浮かれている人を見るけど、そうならないようしっかりした大人になりたい。18歳成人について深く考えたことはなく、新聞に出てくる言葉も難しかったけど、よく読んだら意味が分かった。

成人式に出たとき思い出す江島大輔君(12)

 成人や成人式について勉強できたので、自分も成人式に出たときにはこの勉強のことを思い出せる。新聞は月に1回くらいは読むけど、教科書と違って起きていることを具体的に書いているから、分かりやすい。

6、8年後のことが記事に都留三沙さん(12)

 自分たちが6年または8年後に関係することが、新聞記事になっていて面白かった。18歳成人も世界では多いようなので、日本でそうなるのもいいかなと思った。困っている人を助けられる大人になりたい。

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