社会の“今”見いだす
中津東高校3年5組
「CDを売る」知恵絞る



中津東高校の商業系学科、ビジネス会計科は、3年生を対象にした「課題研究」という科目で、経済を中心とした時事問題について、新聞記事から社会の“今”を学習。9人がこの授業を選択している。就職や進学の面接を見据えて知識を養うとともに、課題解決策も授業ごとに考え、社会への当事者意識も強める。
今回の教材は、CD離れが進む中でフィットネスイベントやライブ上映など、レコード各社が生き残りに知恵を絞っていることを伝えた大分合同新聞4月28日付夕刊1面の記事。岡崎博吉教諭が「CDが売れない時代にどう対処するかを導き出すため、お客さまが求めている“モノ”と“コト”のキーワードを、記事から見いだしてみましょう」と生徒に呼び掛けた。
生徒は交代で記事を音読した後、なぜCDが売れなくなっているかをまず考えた。「スマホの普及で、ダウンロードして音楽を聴く方が楽」「CDを聴くための機械をそもそも持っていない」などの声が上がる。
続いて、CDを売るために今後どんな付加価値を提供していけばいいのかを考えた。生徒からは「アーティストとのツーショット会をする」「CDのジャケットを、インテリアにもなるようなデザインにする」などのアイデアが。
「記事を再度読むと、『モノ』ではなく『コト』を売っている。CDを通してさらに何かを与えることでビジネスになっているのが分かります」と岡崎教諭。「お客は一体感やライブ感を楽しみたいということ。ならばそれを提供することがビジネス」と強調した。
岡崎教諭は「社会人になった際、今回学んだビジネス感覚を持って仕事をしてほしい。また、社会のトレンドを知るには新聞が一番。今後の業界の動きも気にかけてほしい」と結んだ。
生徒の感想
イベントに参加してみたい清原芽衣さん(17)
CDを売るだけじゃなくてイベントをやっていることは知らず、自分も参加してみたいと思った。新聞は普段読まないけど、知らない表現とかが出てきてまた読んでみたいと思った。
普及しない理由に納得した古川文音さん(17)
元々自分も音楽はスマホアプリで聴くので、CDが普及しないのもなるほどと思った。どうすればお客さんに喜んでもらえるかを考えるのが楽しい。新聞からニュースを知る学習を今後も積み重ねたい。
「より売る方法」難しかった大賀楓夏(ふうか)さん(17)
イベントをしたり特典を考えたり、どうやったらCDがより売れるのかを考えるのが難しかった。もっと新聞を読んでいろんなことに詳しくなって、知識でいろんな人の役に立ちたい。
売り上げの減少幅に驚いた佐々木結芽さん(18)
自分はCDでアルバムを買うので、売り上げが半分も減少しているのに驚いた。新聞で社会を知り、しっかりと意見を言えるような大人になる必要があると思った。