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気持ち伝わる短歌をNIEのバックナンバー

杵築市山香中旧2年2組

優秀作品読み解き学ぶ

「読者文芸」の紙面コピーから短歌に使われている言葉を学ぶ旧2年2組の生徒=杵築市の山香中学校
紹介された優秀作品の感想を発表する生徒(左から2人目)。短歌に出てくる分からない言葉を辞書で調べる生徒も
釘宮里枝教諭

 何を表現するにも「これやばい」という言葉で間に合わせがちな昨今の子どもたち。山香中学校の国語の授業では生徒の語彙(ごい)を増やそうと、2年生が学期ごと、また修学旅行の際に短歌に挑戦。大分合同新聞「読者文芸」への投稿を目指し、作りためてきた。

 3月中旬、2年2組(2016年度)の32人が、これまでに作った短歌をあらためて見直し、投稿する作品を選ぶ授業をした。良い作品からレベルアップのヒントを得るため、釘宮里枝教諭が1~3月の「読者文芸」から選んだ三つの優秀作品(教材参照)を紹介した。

 生徒は三つの中から好きな短歌を一つ選び、理由を発表した。「緑より…」を選んだ生徒からは「色の変化から季節の変化を感じる」「言葉が読みやすい」などの感想が。「マンホール…」では「表現がユニーク」や「普段見ないところに注目している」、「丸太材…」では「言葉から情景が鮮明に伝わる」などの意見が出た。

 釘宮教諭が「選ばれる優秀作品には、選ばれるためのヒントがあります。三つの作品の共通点から、短歌作成のポイントを探りましょう」と呼び掛けた。生徒は少人数の班で意見を交わし合った後「季節を表現するのに春夏秋冬以外の言葉を使う」「作者自身がその場で体験したような場面があり、作者の存在感がある」などのポイントを導き出した。

 「緑から黄色」「さざんか」「初競り」…。「具体的な言葉をきちんと入れることで、読み手は場面を想像できる。その上で、気持ちが伝わる短歌を詠んでほしい」と生徒に求めた。

 釘宮教諭は3作品以外にも1~3月の「読者文芸」の紙面コピーを配布。生徒は大量の短歌から、自作の改良に使える言葉を探した。後日、2組の32人と2年1組の32人の作品を合わせた「六十四人一首」が完成。全員の作品を本紙に投稿した。 (宗岡博之)

生徒の感想

作者の心、少し分かるように阿部紀里沙さん(14)

 季節感が伝わり、まねが難しいと思った。多くの短歌を見て、作者がどんな気持ちで詠んでいるかが少し分かるようになった。みんなに自分の思いが伝わるような短歌を作ってみたい。

感情書く場面で生かしたい岩尾樹さん(14)

 短歌は冬休みにネットでも調べたけど、新聞には難しい漢字がたくさん出てきて、載る人は短歌を作り慣れているんだなあと感じた。今回の学習を、作文とか自分の感情を書く場面で生かしていきたい。

情景しっかり書かれている光武智英さん(14)

 紹介された短歌は情景がしっかり書かれていて、その場の雰囲気がよく分かり、うまいと思った。新聞にはニュース以外のこともいろいろ掲載されていて、面白かった。

使ってみたい言葉たくさん挾間美空さん(14)

 季節を表す言葉とか、自分で書けない言葉がたくさんあって、自分でも使ってみたいと思った。新聞を見たことはあったけど、短歌が載っているページは見たことがなかったので、今後はよく見たい。

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