NIE

自主的、積極的な接客をNIEのバックナンバー

学校法人明日香学園

経験や豊富な知識、重要

「おもてなし」に必要なものをまとめる学生

 社会人になる上で自分を知り、職業観を身に付ける科目「キャリアデザイン」。ホテルマンやブライダルプランナーなどを目指し日々学ぶ、明日香国際・ホテル&ウエディング専門学校の1年生11人に、ブライダル学科の仲村枝里学科長が「おもてなしについて考えてみましょう」と問い掛けた。

 経済産業省が2017年から本格的に始める、国内のサービス業を3段階で評価する認証制度を報じた3月12日の記事が教材。20年の東京五輪を前に国全体でおもてなしの質を高め、外国人誘客を進める狙いを説明している。記事を読むことで、おもてなし向上に国が本腰を入れている現況を理解。あらためて自らができるおもてなしを考える授業だ。

 「おもてなしに必要なもの」を各自が考え、3~4人のグループごとに意見交換。出た意見を大きな紙にまとめた。「お客さまを思う心」「コミュニケーション力」「経験」「豊富な知識」などのキーワードから「利用者の期待を超えるサービスが求められている」「知識があるからこそお客さまと会話ができ、コミュニケーションが取れる」などの要素を導いた。

 実際の行動につなげるためには何が必要だろうか。「研修を重ねて資格を取る」「フットワークを軽くする」「常に周囲に気を配る」「自分が一流のおもてなしを受けてみる」…。再度グループで意見を出し合った。

 学生の多くは8月4、5日に大分市で開かれた「第21回NIE全国大会大分大会」にボランティアスタッフとして参加。受付で県内外の来場者を迎えたり、会場内の誘導係を務めたりと、日頃学んでいる接客技術を生かして活躍した。仲村学科長も「自らアクションを起こし、行動することが大事」と自主的、積極的な姿勢を学生に求める。

 仲村学科長は「授業のアウトプットとしてインターンシップに行った際、行動で実際に示すことができるかが大切です」と、今後の職場体験にさらに真剣に取り組むよう促し、授業を締めくくった。

授業の狙い

お客さま目線で考えて

仲村枝里学科長
おもてなしをじっくり考えておくことは、必要かつ重要」と仲村枝里学科長

 明日香学園は本年度「明日香国際・ホテル&ウエディング専門学校」を新設し、ホテル、ブライダルの両学科を設置。来年度は明日香美容文化専門学校を「明日香美容文化専門大学校」に校名変更し、新設のトータルビューティービジネス科にモデル&キャリアアップコースを県内で初めて設ける。専門知識と立ち居振る舞いの人間力、両方を身に付ける教育を進めている。

 今回は「おもてなし」への理解を深め質を高めるため、経済産業省が提唱する認証制度について、新聞記事で取り上げられた事柄を参考に学生に考えさせた。学生は東京五輪が開かれる2020年には、おもてなしの第一線で活躍していることだろう。おもてなしを今じっくり考えておくことは、学生にとって必要かつ重要だ。

 おもてなしに必要な気持ちや行動、それを実践するためにどのような準備が必要かはホテル、ウエディング業界に限らず、サービス業全般で重要な視点。グループワークという形で学生に意見を交流させた。授業で習うこと以外に、おもてなしとは何かをお客さま目線、サービススタッフの視点で考え、社会に貢献できる人材を育てたい。

学生の感想

新聞を読むことの必要性実感羽田涼太郎さん(19)

 ほかの人のいろんな考えが分かって楽しかった。たまに新聞を読んでいるが、勉強になり文章力も上がるので、今回の授業で新聞を読む必要性をさらに感じた。

インターンシップで技術磨く高橋彩未さん(18)

 おもてなしについての考え方の違いが分かった。インターンシップで理想のおもてなしができるようになりたい。東京五輪までにおもてなしの質が上がればいいと思った。

学んだことを将来、生かしたい姫野杏奈さん(19)

 記事の教材は全体的に難しかったが、サービス業に就く上で生かせることを学んだ。日々の授業で学びながら、将来の現場で生かせることをこれからも身に付けていきたい。

姿勢や言葉遣いに気を付ける滝本恵里花さん(19)

 認証制度のイメージがつかめた。おもてなしの場に立つための知識が蓄えられ、ためになった。日頃から姿勢や言葉遣いに気を付け、笑顔で人にやさしくできるようにしたい。

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