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温暖化対策を考えるNIEのバックナンバー

大分市豊府小学校6年4組

自分にできる取り組みを

家庭などでできるエコの取り組みについて考える6年生

 世界各国の代表がフランス・パリに集まって地球温暖化対策を話し合う気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が開かれた昨年12月、大分市豊府小学校では6年4組40人が自分たちにできる温暖化対策を考えた。まずは1週間、大分市がまとめた家庭でできる地球温暖化対策「エコチャレンジ」を実践。授業ではその取り組みを振り返り、冬休みに実践するエコチャレンジを考えた。
 「冬休みのエコチャレンジは二酸化炭素を減らすエコ成果につながっているか」。姫嶋公彦教諭がこの日の授業の目標を板書した。「取り組みのヒントが載っている新聞記事を二つ見つけました。身近な出来事です」と、大分市内の小学校での取り組みを紹介した記事を配布。一つ目は田尻小学校であった「エコ交通まちづくり教室」を取り上げたもの。エコ生活につながるキーワードを探しながら、記事を読む児童ら。記事から、複数の車に乗るよりも1台のバスにまとまって乗った方が排ガスを減らせるということが分かった。
 二つ目の記事は上戸次小であった地球温暖化に関する出前授業の記事。児童は記事中から「(1)減らす(2)選ぶ(3)切り替える」「自然エネルギー」といったエコキーワードを見つけた。姫嶋教諭がこの教室を開いたNPOから取り寄せた資料を紹介し「減らす」「選ぶ」「切り替える」に当たる具体的な行動を説明。宇宙から撮影した夜の写真を示して「他の国に比べると日本列島は光が強い。電気をたくさん使っているということ」と姫嶋教諭。「日の出と日の入りに合わせて早寝早起きする生活に切り替えれば、電気の使用を減らすことができます」
 さまざまな取り組みを知った上で、児童は班をつくって自分の考えたエコチャレンジを出し合った。「外出する時は自転車に乗る」「お父さんに瓶ビールを飲むように勧める」「再利用できるものを買う」などが挙がり、中には「ドングリを土に植えたら芽が出た。木を育てて酸素をつくり出す」という意見もあった。
 冬休み中、自分の考えたエコチャレンジに取り組んだ児童たち。3学期はその成果を踏まえ、学級や学年、学校全体で取り組めることを考える予定だ。

授業の狙い

身近に受け止めて

姫嶋公彦教諭
「自分ができることを考えて」と話す姫嶋公彦教諭

 COP21の最終合意からも分かるように、地球温暖化は全世界共通の問題。児童も地球温暖化という言葉は知っているが、「日本には関係ない、遠い未来の話」と捉えている感じが強い。現状を知り身近な問題として受け止め、解決に向けて自分ができることを考えるのが授業の狙いだ。
 COP21など、今起きていることを知るのに新聞記事は有効。大分市内の小学校の記事を読むことで、自分たちに身近な問題として捉えさせる狙いもある。温暖化を解決するために、自分たちにもできることがあるんじゃないかと感じさせたい。
 4月からワークシートやスクラップの取り組みを続け、児童たちは新聞記事を読むのに慣れてきた。今回の授業ではCOP21など難しい内容の記事もあったが、内容の読み取りが速くなったと感じている。

児童の感想

家族にも呼び掛けたい陶山明日香さん(12)

 新聞記事は知らないことが分かっていろいろと勉強になる。COP21についても少し知ることができた。地球温暖化を止めるために自分も取り組めることをしたいし、家族にも呼び掛けたい。

LED、バス利用したい横手咲紀さん(11)

 初めて地球温暖化について考えたが、冬が暑くなったら嫌だ。LED電球を使ったりする対策に取り組みたい。他の学校の小学生もいろんなことを考えている。バスを利用する取り組みは自分もしたい。

ヒントいっぱいあった小野利空(りく)君(12)

「減らす、選ぶ、切り替える」という取り組みが心に残った。一つ一つの取り組みにそれぞれ意味があり、よく考えると二酸化炭素を減らすヒントはいっぱいあった。身近なことから始めたい。

木を切らないこと、大切立川嵐君(12)

 記事を読んで、同じ小学生でもいろんな取り組みをしていると分かった。冬休みはこたつの使用を減らして電源を切ることを実践したい。木を切らないようにすることも大切だと分かった。

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