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教室をエコに改造NIEのバックナンバー

西庄内小学校旧5年生

学んだこと、家庭で実践を

教室改造の取り組み発表を聞き、エコ度や快適度を判定する児童
これが記事を基に作った教材(大分合同新聞2012年7月30日付朝刊14面)

 「エコで快適!教室改造の結果報告会をしよう」。由布市西庄内小学校の5年生(21人)=2012年度=が2月、住まいの工夫などをテーマにした家庭科の授業の一環として、教室の環境改善に取り組んだ。七つのグループごとに、窓の隙間をふさいだりカーテンを小まめに開け閉めするなどして、快適な空間をつくる方法を探った児童たち。この日は取り組みの成果を発表し、「エコ度」や「快適度」を判定し合った。
 トップバッターは「隙間風ふさぎ隊」の3人。窓ガラスの隙間を粘着テープでふさいだり窓にシートを貼るなどした結果、「教室内の温度が高くなった」と発表した。判定では「緑(良い)」「黄色(普通)」「赤(駄目)」のいずれかのカードを掲げる。隙間風ふさぎ隊の取り組みには、エコ度、快適度とも多くの児童が緑のカードを挙げた。
 続いて、扇風機を使ってストーブの暖かい空気を循環させたチームが発表。「扇風機を回すことで早く空気を循環することができた」と報告したが、エコ度の判定では「ストーブと扇風機を一緒につけると電気を多く使う。省エネではない」と赤のカードを上げる児童も。快適度は黄色と緑に分かれた。
 日光が差し込む時間帯に合わせてカーテンを開け閉めしたグループは「カーテンを開けたら光が入って体がぽかぽかした」と感想。加湿器をつけ、換気に取り組んだグループは「加湿器をつけないとのどが痛くなった。湿度はとても大事」とまとめた。
 すべての発表が終わると、安達由香教諭(41)は「おかげで教室が快適、エコになりました」と頑張りを評価。「教室改造では自然の力をたくさん借りたね。今、自然の力を借りた住まいが注目されています」と、本紙記事(2012年7月30日付朝刊)が載ったワークシートを配った。
 「パッシブデザインでエコに暮らそう」と題した連載記事。住宅の新築やリフォームをする際、太陽や風の働きを考えて設計を工夫する「パッシブデザイン」を紹介している。児童はワークシートにある設問の答えを探しながら、記事を読み進めた。
 「自然は大切。クーラーを入れて涼んできたが、使わないようにしたい」「パッシブデザインの家に住んでみたい」などの感想を持った児童たち。安達教諭は「学校で学んだことを家で実践するのが家庭科。みんなの住まいを改善し、エコで快適にしてください」と呼び掛けた。

授業の狙い

住まいの工夫に目を向けさせる

安達由香教諭
「学校の教室の住空間に目を向けさせたい」と話す安達由香教諭

 児童は、寒い季節を乗り越えるための住まいの工夫などにあまり目が向いていない。寒ければただ上着を着る、ストーブやこたつをつけるということを当たり前のように繰り返している。日中、一番長い時間を過ごす学校の教室の住空間に目を向けさせたい。
 暖かさを逃さないための方法や自然の光を利用した住まいの工夫に気づかせ、自分たちの教室をより快適にするための手だてがないかを考えた。家庭での実践につなげたい。
 本は情報が古くなることがあるが、新聞はタイムリーな記事が多いため、世の中で話題になっていることを児童に提供できる。難しい文章に慣れさせるためにも新聞は有効。今回は暮らしに密着した記事を使うことができて良かった。授業で学んだ後で記事を読み、「自分たちも取り組んでいる」と実感することができたと思う。

児童の感想

家に「緑のカーテン」作る栗嶋佑太君(11)

「隙間風ふさぎ隊」として窓の隙間から漏れる風を粘着テープなどで防いだ。太陽の光を利用すれば部屋は暖かくなり快適に過ごせる。家でも光を取り入れたり夏は「緑のカーテン」を作って過ごしたい。

光、取り入れて暮らしたい工藤信乃(しなの)さん(11)

家の窓にたくさん水滴がついて光が遮られていたら窓を拭いてみるなど、光を取り入れながら暮らしたい。自然の力を使って生活できるのはすごいと思った。ソーラーパネルも使ってみたい。

自然の力を使って快適に橘和生君(11)

窓の隙間風を防ぐ取り組みはうまくいった。換気をしたりカーテンの開け閉めをして暖かく過ごしたい。自然の力を使っていろんなことができる。今まで考えたことはなかったが、快適に過ごすことができた。

太陽の暖かさにびっくり篠田莉己(りこ)さん(11)

日本人は太陽とうまく付き合うためのいろんな知恵を持っていた。自分も身に付けたい。教室では今まで廊下側にいたが、太陽の光が当たる所に行くと暖かくてジャンパーを脱いだので、自分でもびっくりした。

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