飛び出せ学校

日田市朝日小6年 校区にある古代遺跡飛び出せ学校のバックナンバー

井上記者(右端)から取材の仕方を学ぶ朝日小学校の児童
「どんな見出しにしようか」とグループで熱心に話し合い

吉野ケ里と比較調査

 遺跡が点在する歴史豊かな日田市朝日地区。朝日小学校の近くには環濠(かんごう)集落や県内最大の前方後円墳があるが、詳しく知らない児童が多い。

 6年生21人は、社会科見学で佐賀県の吉野ケ里遺跡を訪れたことをきっかけに、地元の遺跡に興味を持ち、新聞作りに取り組んだ。

 吉野ケ里を見学して「高い物見櫓(ものみやぐら)があった」「建物の跡が大きかった」と感心した。一方、現在も墳丘の残る「朝日天神山古墳」(県指定史跡)を訪れたことのある児童は数人にとどまった。

 校区内には、日本最古級の豪族居館跡で知られる「小迫辻原(おざこつじばる)遺跡」(国指定史跡)もある。地域の歴史に詳しい山中十士男さん(69)から古墳や遺跡の説明を受け、児童は「歴史を調べ、吉野ケ里との共通点を探ろう」と一致した。山中さんが「地域の歴史を調べて、愛着を持って」。大分合同新聞社日田支社編集部の井上有紀子記者(26)は「吉野ケ里で感じた視点を大切にして新聞を作ろう」とアドバイスした。

 児童は教室を飛び出し、天神山古墳を見学。市埋蔵文化財センターで出土品の土器や玉を見て、市教育委員会文化財保護課の上原翔平さん(36)に話を聞いた。地域を治める強力な王がいたと思われることや、出土品から大和朝廷との関わりがあった可能性があることを知った。

 大分合同新聞社整理・校閲部の山本康裕編集委員(48)から見出しの付け方やレイアウトのポイントを学習。歴史を知り、地域を見つめた児童たちのとっておきの新聞が完成した。

新聞作りの様子(動画)

子どもたちが作った紙面

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