飛び出せ学校

大分市横瀬小5年2組 調べよう 地域の歴史飛び出せ学校のバックナンバー

井上記者に記事の書き方を教わる児童たち
分かりやすい紙面にしようとグループで何度も話し合った

身近な場所、深く取材

 大分市西部の横瀬小学校には、多くの児童が団地から通い、近くには田園風景が広がる。学校が40周年を迎えたことに合わせ、5年2組の31人が地域の歴史などを調べ、新聞作りに挑戦した。

 「地域で知りたい話題はありますか」。井上有紀子記者(25)=大分合同新聞社報道部(現・日田支社編集部)=が問い掛けると、児童からは「富士見が丘団地ができる前の姿」「享保井路」などと元気な声が上がった。記事の書き方や写真の撮り方を学んだ児童は、取材をしようと地域に繰り出した。

 児童の多くが住む富士見が丘団地の最初の住民、池部計久(かずひさ)さん(81)を訪ね、団地の歴史を聞いた。造成が始まった1970年当時は、近くに住宅は10軒ほどしかなかった。山を切り開いて造り、次々に住民が増えていったことを知った。

 享保井路について、地域の桜井治良(はるなが)さん(77)に取材。桜井さんは紙芝居を使って、分かりやすく井路の仕組みや歴史を教えてくれた。天候に左右されず水田用の水が安定的に供給できるように、約300年前に大分川から水路を掘ったのが始まり。今も井路を利用する農家が資金を出し合って管理。農家は日頃から草刈りなどの清掃活動に取り組んでいる。地元の人の協力する姿が浮かび上がった。

 学校に戻った児童は取材ノートを見ながら原稿を仕上げた。大分合同新聞社整理部の藤原敦之記者(53)から見出しやレイアウトについて学習。仲間や先生と何度も話し合いながら、地元の宝を詰め込んだ紙面が完成した。

新聞作りの様子(動画)

子どもたちが作った紙面

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