飛び出せ学校

大分市荷揚町小6年 母校の歴史伝える飛び出せ学校のバックナンバー

藤内記者から記事の書き方について学ぶ児童たち
カラフルな見出しを作成する児童たち

最後の卒業生が取材

 大分市の中心部に位置し、開校143年を迎える荷揚町小学校。近隣の中島小、住吉小、碩田中学校と統合するため、来年3月に閉校する。最後の卒業生となる6年生が、脈々と受け継がれてきた学校の歴史や伝統を調べようと新聞作りに取り組んだ。

 「興味あることからテーマを選ぼう」。大分合同新聞社報道部の藤内教史記者(39)から記事の書き方を学んだ子どもたちは、自分たちにとって関わりの深い校舎や校歌などについて取材することを決めた。

 卒業生の浅井龍晃(りゅうこう)さん(69)、宗祥一朗さん(68)、山川富弘さん(61)から、運動場に遊具がなくても工夫して遊んだ話や、食料不足の中、毎日楽しみにしていた学校給食の話などを聞き、当時の学校生活に思いをはせた。

 学校の中央玄関に置かれたピアノは、1927年にドイツで製造され、保護者会が多額の寄付金を集め、学校へ寄贈したことが分かった。校歌は48年に誕生し、作詞者は卒業生で当時大学1年だったことも調べた。

 55年に建てられた校舎については日本文理大学工学部の西村謙司教授(47)から話を聞いた。吹き抜けのある木の階段があり、踊り場や廊下の幅が広いのは、出会いの場にしてほしいという設計者の思いがあることを知った。

 取材を終えた後、小松和茂記者(32)=大分合同新聞社整理部=からレイアウトの仕方や見出しの付け方を学んだ。学校の歴史に関わってきた人々の思いを知った子どもたちは、主見出しに「ありがとう」という言葉を選んだ。最後の卒業生の思いが詰まった紙面が完成した。

子どもたちが作った紙面

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