国東市伊美小5年 地域の自慢探して


独自の文化、体験取材も
国東市国見町中の伊美小学校は、姫島を望む国東半島北端部にある。高速道路や鉄道と無縁の“陸の孤島”ともいわれる地域だが、歌舞伎や流鏑馬(やぶさめ)、芸術家・工芸家によるコミュニティーなど独自の文化が育まれてきた。「伊美の良さを知ってほしい」。そんな思いを胸に5年生11人が初めての新聞作りに挑んだ。
中谷悠人記者(31)=大分合同新聞社国東支局=からインタビューや写真撮影、記事の書き方を教わった後、テーマ決め。国見アートの会事務局の和田圭介さん(29)=ギャラリー「涛音寮(とういんりょう)」=を教室に招き、「工房ギャラリーめぐり」のイベントなどについて講義を受けた。「文化を守り、育てる伊美」。テーマが見え始めると、ペンとカメラを手に現場へ走りだした。
「国見歌舞伎」(市指定無形民俗文化財)は全員で体験取材。保存会事務局長の信原英治さん(68)の指導で練習を重ね、学校の体育館に客を招いて世話物の芝居「白浪五人男」の一場面を披露した。信原さんからは歴史や思いも聞いた。
「ギャラリー通り」では陶器・ガラスの工房「ラパロマ」、移住希望の芸術家や工芸家がお試し居住できる施設「イミテラス」を見学。涛音寮では圭介さんの母で表具作家の和田木乃実さん(57)にもインタビューした。
教室に戻ってからは取材メモを見ながら、「5W1H」などの原則に従って記事にまとめた。記事に添える手書きのイラストも用意し、山田直彦記者(43)=大分合同新聞社整理部=から助言を受けながら、紙面をレイアウト。4本の記事からなる立派な紙面ができあがった。