飛び出せ学校

宇佐市糸口小6年 地域の魅力再発見飛び出せ学校のバックナンバー

八坂記者に取材の仕方などを教わる児童たち=宇佐市の糸口小学校
「こんな見出しはどう?」さまざまな意見を出し合う児童たち

歴史や文化財に興味津々

 本堂が国の重要文化財に指定されている豊前善光寺。太平洋戦争末期に稼働していた軍需工場・小倉陸軍造兵廠(しょう)糸口山製造所。住民が踊り継いでいる糸口音頭―。宇佐市の北西部に位置する糸口小学校の周辺には、歴史や文化財が多く残っている。地域の魅力を調べて伝えようと、6年生が新聞作りに取り組んだ。
 「皆さんの学校の周りにあることで調べてみたいテーマはありますか」。八坂啓佑記者(29)=大分合同新聞社宇佐支局=が問い掛けた。子どもたちからは「善光寺」「糸口兵器工場」「糸口音頭」など、次々と元気な声が上がった。記事の書き方や取材の仕方などを学んだ後、調べたいテーマをまとめて取材に向かった。
 糸口山にあった小倉陸軍造兵廠糸口山製造所の歴史について学ぶため、豊の国宇佐市塾の平田崇英塾頭(67)に話を聞いた。工場で1万人が働いていたことや、慣れない作業でけがをする人が多かったことなど貴重な話を聞き、戦争の歴史を忘れないことの大切さを学んだ。
 「三世代の集い」や運動会で踊っている「糸口音頭」について、保存会の松木公望会長(80)に質問。作曲にも演奏にも地域の人たちが深く関わっていることを知り、「音頭をこれからも伝えていきたい」と感じた。
 豊前善光寺の菅野俊光住職(73)や時枝城の歴史に詳しい県立歴史博物館の村上博秋さん(45)にも話を聞いた。学校に戻ってからは取材メモを見ながら記事にまとめた。
 佐藤一郎大分合同新聞社整理部長(48)から見出しの付け方やレイアウトについて学んだ。手書きのイラストも盛り込み、地域の誇りである歴史や文化を分かりやすく伝えるカラフルな紙面を完成させた。

子どもたちが作った紙面

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