飛び出せ学校

別府市西小6年/小学校80年の歴史飛び出せ学校のバックナンバー

礒崎記者の話を聞く児童たち=別府市の西小学校
「思い出に残る新聞にしたいね」。みんなで話し合って見出しを決定

最後の卒業生、伝統まとめ

 1935年開校の別府市西小学校。これまで1万人以上の卒業生を送り出してきたが、青山小と統合するため、3月で閉校する。最後の卒業生となる6年生が西小80年の歴史を残そうと新聞作りに挑戦した。
 「西小の歴史や伝統で自慢できるものはありますか」。礒崎恵記者(26)=大分合同新聞社別府支社=が問い掛けると、運動会で踊る表現種目「伸びゆく西校」や鼓笛隊、以前は温泉水を使っていたプールなどが挙がった。
 児童は記事の書き方や写真の撮り方を習い、取材を開始した。1973年の運動会から踊り継がれてきた「伸びゆく西校」について調べると、経済成長期の建設風景をイメージした動きやハンマーを打ち付けるような動作が取り入れられていることが分かった。
 卒業生で、64年の東京五輪に競泳で出場した佐々木栄子さん(70)と、佐々木さんの同級生、佐藤一生さん(70)にもインタビュー。温泉を入れて水を温めていたプールには当時の日本代表候補選手らも練習に来ており、佐々木さんは「本物の選手を見ることができ、いい刺激になった」と振り返った。
 鼓笛隊については、卒業生の小野二生さん(64)=明豊中学・高校長=から話を聞いた。小野さんは「東京五輪や市内の祭りを盛り上げるために始まったのではないか」と語った。当時は50人ほどが選抜され、パレードに参加したり、運動会で演奏をしていたという。
 大分合同新聞社の衛藤正法編集局次長(48)が見出しの付け方やレイアウトについて説明。母校への思いが詰まった新聞が出来上がった。

子どもたちが作った紙面

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