飛び出せ学校

豊後大野市百枝小6年 古里の“誇り”を凝縮飛び出せ学校のバックナンバー

庄記者の説明を聞き、取材の仕方について学ぶ児童たち=豊後大野市の御手洗神社
「どんな見出しにしようかな」グループで話し合いながら考える児童たち=百枝小学校

「知ってほしい」願い込め

 豊後大野市三重町北西部が校区の百枝小学校は、大地を覆う阿蘇溶結凝灰岩を削りながら雄大に流れる大野川の河岸近くにある。周辺には前方後円墳や、県無形民俗文化財の「湯立(ゆたて)神楽」が伝わる御手洗神社があり、古代の人々の息遣いを感じさせる。農業も盛んなこの地域の特徴を伝えようと、6年生の児童が新聞作りに取り組んだ。
 取材について学ぶ授業と初めての取材は、上田原地区を一望する御手洗神社の拝殿で行った。庄亨記者(40)=大分合同新聞豊後大野支局=は「なぜ神楽や農業に取り組んでいるのか。その気持ちを聞き出して記事にしよう」とエール。湯立神楽の由来や奉納の作法について説明をしてくれた俚楽長の黒木真治さん(72)からは、歴史の継承に対する熱意を感じた。
 学校の東にある緑の小山、立野古墳は約1500年前に造られたとされる前方後円墳。市古墳文化を考える会の渡辺円世会長(66)から「大きな墓を造ることができる有力者がいた証し」と聞いた児童たちは「自分たちがその子孫かも」と色めき立った。
 通学路沿いに広がる田畑。西泉地区でネギを育てる神品正志さん(67)と、トマト農家の久保田直宏さん(64)はいずれも水耕栽培に取り組んでおり、土以外で農産物が育つ農業の進化にみんなびっくり。
 小松和茂記者(32)=大分合同新聞整理部=から記事やイラストのレイアウトを学んだ児童たちは、「何もない所」と思い込んでいた古里にあふれる“誇り”を紙面に凝縮。「地域の人たちにもっと知ってほしい」と願いを込めた。

子どもたちが作った紙面

このページの先頭に戻る