飛び出せ学校

大分市吉野小新聞クラブ “宝”を広く伝えよう飛び出せ学校のバックナンバー

玉井記者の説明で、記事の書き方について学ぶ児童たち=大分市の吉野小学校
「イラストはどこに置くのがいいかな」レイアウトについて話し合う児童たち

達人たちの思い、受け止め

 大分市の南東端、臼杵市との境に位置し、山々に囲まれた中にのどかな農村風景が広がる吉野地区。豊かな自然とともに伝統的な行事や郷土料理が今も多く残る。そんな吉野の“宝”を広く知ってもらおうと、活動を始めたばかりの新聞クラブの4~6年生が新聞作りに取り組んだ。
 「新聞でどんなことを伝えたいですか」。玉井美智子記者(50)=大分合同新聞報道部=の問い掛けに、「いろんな形がある棒術」「鶏めしのおいしさ」「珍しい臥龍梅のこと」「ものすごい数のホタルの光の点滅」など次々と声が上がった。吉野ならではの歴史あるもの、守られてきたものがあることをあらためて認識した児童たち。「伝統をつなぎ 守り続ける吉野」をテーマに決め、取材を開始した。
 「吉野鶏めし保存会」の帆足キヨ代表(72)からは古里の味を広めるための苦労を学び、鶏めし作りにも挑戦した。但馬和子さん(79)からは「臥龍梅音頭」を作った理由を聞き、地元への思いの深さを知った。地区に約400年前から伝わる棒術を受け継いでいる釘宮秀充さん(63)と相馬玖衛さん(61)の話を聞いて、形だけでなく礼儀などの精神も伝えていることが分かった。「吉野ホタルを育てる会」の中野俊彦事務局長(72)からは、学校でも飼育に取り組んでいるホタルの生態を詳しく学んだ。
 インタビューをまとめた児童たちは、三股秀明大分合同新聞NIE推進室次長(47)の助言を受けながら、読む人を引きつけるような見出しとレイアウトを考えた。全員で集まれる活動は月1~2回の限られた時間のため、昼休みも返上して取り組んだ新聞作り。取材を通して知った地域の達人たちの思いとともに、古里の自慢が詰まった紙面が完成した。

子どもたちが作った紙面

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