飛び出せ学校

杵築市北杵築小6年 たくさんのため池飛び出せ学校のバックナンバー

萱嶋記者に取材や記事などを学ぶ児童たち
「注目される紙面に」たくさんのイラストを描く児童たち

世界が認めた循環に納得

 2013年に世界農業遺産に認定された国東半島宇佐地域。杵築市の北杵築小学校区には認定のポイントとなった循環システムの要であるため池やクヌギ林などが多数ある。地域を支えてきた自然とそれを利用した農家らの営みについて詳しく調べようと同校の6年生9人が新聞作りに挑戦した。
 「皆さんがため池について知っていることを教えてください」。萱嶋悠記者(28)=大分合同新聞杵築支局=が尋ねると、「水をためることができる」「農業に使われる」などの答えが返ってきた。
 取材や記事の基本について学んだ後、杵築市役所で世界農業遺産を担当する板井隆さん(60)から農業遺産の制度や七島イの栽培について話を聞いた。その後、市役所や県東部振興局の担当者と地域のため池を訪れ、池の構造や三つの池が水路で連携していることを確認。その一つ轟池の管理者である「池守(いけもり)」の本田哲也さん(75)から水田に水を流す方法などを取材した。
 県立先哲史料館の桜井成昭主任研究員(46)から地域の歴史について学び、なぜため池が必要だったか理由を掘り下げた。同校児童も参加し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する若宮八幡社(市内宮司)の「若宮楽」について家族に話を聞き、杵築市誌を参考にしながら文章にまとめた。
 三股秀明大分合同新聞NIE推進室次長(46)が見出しやレイアウトの方法を指導。児童らが工夫して分かりやすいイラストを描き、世界農業遺産や地域の農業について楽しく学べる紙面を作り上げた。

子どもたちが作った紙面

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