飛び出せ学校

豊後大野市緒方小6年 故郷の魅力伝えたい飛び出せ学校のバックナンバー

平尾記者と新聞作りの勉強をする児童たち
見出しを考える児童たち

受け継がれる知恵、伝統

 日本の滝百選の一つ「原尻の滝」や米どころとして知られる豊後大野市緒方町。雄大な自然に囲まれたこの地域では、先人たちが築いてきた暮らしの知恵や伝統が数多く受け継がれている。
 「緒方町の見どころを教えてください」。大分合同新聞豊後大野支局の平尾将俊記者(28)が児童に問い掛けた。「石橋がたくさんある」「石風呂がある」「川越し祭り」「小松明(こだい)火祭り」―。次々と元気な声が上がった。
 昨年、同市が「日本ジオパーク」に認定されたことで、地域の文化財や地質について勉強してきた児童たち。故郷のいいところをたくさんの人に知ってもらおうと、新聞作りに取り組んだ。
 町内の歴史に詳しい市歴史民俗資料館の職員に話を聞いたり、実際に現地を訪問したりして取材した。
 石を使った文化が発達した緒方町。その背景には9万年前の阿蘇山噴火の火砕流が冷えて固まった加工しやすい「阿蘇溶結凝灰岩」の存在がある。また、「川越し祭り」など毎年実施されている祭りは数百年前に始まったもので、祭りに込められた願いは今でも大切に受け継がれていることなど、多くのことを学んだ。
 学校に戻った児童たちは、取材したことを書き込んだノートを何度も確認しながら、分かりやすい文章になるよう心掛けて記事を書いた。河村基史記者(27)=大分合同新聞整理部=から、見出しの付け方やレイアウトについて学習。新聞紙面に親しみを持ってもらえるよう、自分たちで考えた「ゆるキャラ」や、石橋などのイラストを盛り込む工夫もした。先人たちから受け継いできた思いを、多くの人に伝える新聞が完成した。


子どもたちが作った紙面

このページの先頭に戻る