飛び出せ学校

竹田市菅生小5、6年 地域の歴史学ぼう飛び出せ学校のバックナンバー

中野記者と記事の書き方について勉強する児童たち
見出しやイラストを仕上げる児童たち

取材通じ、魅力を再確認

 「歴史、文化のまち」を掲げる竹田市。熊本県境に接する菅生地区は九州有数の高原野菜の産地として知られるが、国指定史跡の七ツ森古墳群といった史跡も残る。菅生小学校の5、6年生13人は地域の歴史を詳しく学ぼうと新聞作りに挑戦した。
 「皆さんは新聞でどんなことを伝えたいですか?」。大分合同新聞竹田支局の中野暁男記者(42)=現・本社報道部=が問い掛けた。「竹田の歴史のすごいところ」「私たちが感動したことを新聞に載せ、竹田に来る人が増えればうれしい」。子どもたちの元気な声が返ってきた。
 早速、荻史談会の永田修二さん(61)から四原(よはる)一揆について話を聞いた。約200年前、岡藩の厳しい年貢の取り立てに耐えかね、菅生地区などの農民ら約2千人が立ち上がった一揆。一人の犠牲者も出さず、奉行に願いが受け入れられたことを学んだ。
 竹田市を代表する史跡、岡城跡にも出掛け、市文化財課の城戸誠さん(56)から取材。島津軍を3度退け、難攻不落の城と呼ばれていたことを知った。石垣を下から見上げ、敵が簡単には登れない造りになっていることも確認した。城戸さんからは七ツ森古墳群についても学んだ。古墳からは中国で作られた「三角縁神獣鏡」が発見され、当時、大和朝廷と深い関係があったことが分かった。
 一連の取材を通じて、地域の魅力を再確認した子どもたち。地元の先人たちが現代へと紡いだ歴史の感動を文章にまとめた。帆足三郎・元大分合同新聞文化センター顧問に見出しやレイアウトの指導を受けた。カラフルなイラストもふんだんに使い、読み応えのある新聞が完成した。

子どもたちが作った紙面

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