飛び出せ学校

臼杵市田野小全学年 地域の魅力、再認識飛び出せ学校のバックナンバー

宗岡記者と一緒に記事の書き方を勉強する児童
記者の話を聞きながら見出しを考える児童

 母校の閉校前に“集大成”

 少子化による統廃合で3月に閉校となる臼杵市野津町の田野小学校。学校のことをこれからも心に刻み続けるとともに、自分たちを育んでくれた地域と学校への感謝を込め、全学年39人で新聞作りに取り組むことにした。
 「田野について調べてみたいことは何ですか?」。宗岡博之記者(39)=大分合同新聞臼杵支局=が問い掛けると、子どもたちから「今も残る文化財」「豊かな大地と農業」「昔からの言い伝え」などさまざまな意見が出た。
 テーマを学年ごとに分担。1、2年生は自慢の学校行事、3、4年生は地域の基幹産業の一つであるピーマン栽培、5年生は不思議な伝説がある「白(し)鹿(し)権現」、6年生は学校の歴史や江戸時代のアーチ型石橋「間戸水車橋(まどみずくるまばし)」について取材することになった。
 1、2年生が取り上げたのは秋の収穫祭。グループごとに作ったサツマイモ料理を「おいしいと言ってくれたのがうれしい」と、住民との交流の楽しさを文章にまとめた。3、4年生は校区内のピーマン農家に出向き、大きくて甘いピーマンを作るための工夫を学習。野菜嫌いな児童も生食に挑戦し、味を体感した。
 5年生は12世紀の創建とされる白鹿権現の長い歴史や、現在も狩猟者にとって安全を祈願する大事な場所になっていることをアピール。6年生は取材を通じ、間戸水車橋の役割や技術の高さを再認識。地域の文化財を守る気持ちを新たにした。
 広石修一記者(35)=大分合同新聞整理部=から見出しの付け方、描き方などを学習。彩り豊かな紙面を仕上げた。みんなで考えた主見出しは「我ら田野っ子 母校にありがとう」。学校の歴史の最後を飾る、記念の“共有財産”が出来上がった。

子どもたちが作った紙面

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