飛び出せ学校

九重町飯田小5年 自然豊かな飯田高原飛び出せ学校のバックナンバー

伊藤記者と一緒に地域の自然について勉強する児童たち
アイデアを出し合い見出しを考える児童たち

 多くの人に支えられ守る

 標高700~1200メートルの雄大な高原が東西10キロ、南北8キロに広がる九重町の飯田高原。その豊かな自然環境が、飯田小学校で学ぶ子どもたちの自慢だ。
 「飯田高原にはなぜ多くの観光客が訪れるか分かるかな」と伊藤友仁記者(26)=大分合同新聞玖珠支局=が問い掛けると、教室の子どもたちの手が次々と上がった。「四季によって変わる風景」「おいしい空気や水」「たくさんの動植物」
 子どもたちは地域の田んぼで無農薬の米作りを体験している。米作りをするうち、「どうして飯田高原には手間の掛かる無農薬栽培をする人たちがいるのか」と疑問を持った。「農薬を大量に使うと、高原の貴重な動植物にどんな影響があるのか調べてみよう」。トキが安心してすめる、豊かな里山の再生を目指し、セブン―イレブン記念財団が運営している九重ふるさと自然学校の阿部秀幸さん(32)を学校に招いた。
 阿部さんは「農薬によって田んぼにいたタニシなどの餌がなくなり、日本のトキが絶滅した」と説明。「高原の動植物を守るため、農薬を使わないで頑張っているんだよ」
 「九重トキゆめプロジェクト21」の高橋裕二郎さん(64)からも取材。「私たちが誇りに思ってきた自然は多くの人たちの手で支えられていたんだ」。子どもたちはしっかりと書き込んだ取材ノートを見ながら、原稿を書き上げた。
 帆足三郎・元大分合同新聞文化センター顧問が紙面のレイアウトを指導。読者の目を引く見出しを考え、「多くの人に自然保護について考えてもらいたい」という願いがこもった新聞が完成した。

子どもたちが作った紙面

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