NIEに関する一般記事

新聞コンクール奨励賞(下)吉瀬玄起君=大分市稙田小6年=一般記事バックナンバー

別府市で暮らすウクライナ避難民が、日本の自動車運転免許を取得したことを伝える記事(本紙2023年7月20日付)を題材に選んだ。毎日、戦争の暗い話題が続いていた中で明るい記事が目に留まったからだ。
 地元のNPO法人のサポートで、避難民のうち自動車の運転を望む9人全員が日本の免許を取得。生活基盤の強化のほか、日本社会への適応が進んだ「証し」として自信にもつながっている―と書かれていた。
 別府で避難民が暮らしていることは知っていた。記事を読んで「違う国に行っても前向きに幸せに過ごせるよう努力していてすごい」。市が受け入れ、全面的に支援していることにも感銘を受けた。
 ニュースでよく見る戦争の話題は外国で起きている遠い話だと思っていたが、記事の内容は身近に感じた。母は「日本とウクライナでは言葉や生活スタイルなど異なることばかりだが、お互いが歩み寄ることで生活の輪が広がり、国境を感じなくなる」と話した。
 母の意見を聞いて、今自分たちにできることは何かと考えた。「世界に目を向け興味を持つことで、国際交流や異文化の学びなど可能性の種をまくことにつながる。明るい未来へ発展できるのでは」
 10月には修学旅行で長崎市に行き、原爆や戦争の悲惨さを学んだ。「関係のない人まで巻き込まれる。町が復興しても心には深く傷が残る」。平和の大切さを実感した。
 幼い頃から手の届く場所に新聞があり、毎日めくっている。テレビや日常生活で耳にしたニュースの中で気になったことを中心に読む。新聞は「難しいが詳しく書かれていて分かりやすい。家族と一緒に読むことも多く、話すきっかけになる」と感じる。
 今後の目標は「英語を習っているので、戦争がなくなるよう世界に呼びかけたい」。避難民と接する機会があれば「悲しんでいるはず。安心させてあげたい」と考えている。

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