NIEに関する一般記事

活字の力(上)朝自習でマイ紙面一般記事バックナンバー

 竹田市君ケ園の竹田南部中(佐竹正敏校長、122人)は毎週木曜日の午前8時に、全校生徒が一斉に新聞を広げる。15分間の自習時間を活用してスクラップ作りに取り組んでいる。
 9月下旬、2年生の教室では生徒が慣れた手つきで紙面を切り抜き、用紙に貼り付けた。記事の要約と、自分の感想や意見も書き添えた。
 得丸凜花(りんか)さん(13)は医師の長時間労働を扱った記事を選んだ。「将来の進路を考え始め、いろんな職業の働き方に注目している」と理由を説明した。
 同校は日本新聞協会が認定するNIE(教育に新聞を)の実践指定校。スクラップを廊下や階段にずらりと張り出している。コラムの読解にも力を入れており、2年の大塚陽翔(はると)さん(14)は「文章の起承転結をつかめるようになった」と手応えを話す。
 「新聞は良質な文章で社会情勢を学べる生きた教材。読むのを習慣化すれば、勉強の読み書きも抵抗感がなくなる」。国語の佐藤美登里(みどり)教諭(63)は教育現場で用いる意義を強調する。
 目に見えた効果も出ている。テストの記述問題は無解答がほとんどなくなった。校内のアンケートでは「読解力・表現力が向上した」と答えた生徒が84%に達した。
 3年の広瀬泉穂(みずほ)さん(15)=顔写真=は、同協会が主催する本年度の新聞配達エッセーコンテストで中高生部門の最優秀賞に輝いた。「字数制限がある中で自分の意見をまとめる力が付いたおかげ」と喜んだ。
 竹田市教委は学力向上につなげようと、同校を含めた市内の全4中学校で新聞のコラムを使った学習に取り組んでいる。学校教育課は「新聞を通して、さまざまな情報を読み解く能力を身に付けてほしい」と述べた。

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