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第13回「いっしょに読もう!新聞コンクール」(下)奨励賞 河野舞雪さん 佐伯豊南高3年一般記事バックナンバー

「幅広い知識を持った作業療法士になりたい」と語る河野舞雪さん

 大人に代わり日常的に家事や家族の世話をする子ども「ヤングケアラー」に関する記事(大分合同新聞8月1日付朝刊)を題材にした。福祉や医療分野に興味があり、関連する話題を探していて見つけた。

 記事は、学校などで把握されたケアラーの情報について窓口が異なる行政支援の枠組みを整理して各自治体が1部門に集約し、対策強化を目指すという厚生労働省の取り組みを伝える内容。

 過度に家族の世話をする子どもは、年齢が低いほど「当たり前のお手伝い」だとして自分の境遇を自覚しづらい現実を知り、「SOSを出してもいいことを知らず、手を差し出せない子どもがいる」ことに衝撃を受けた。

 自身も片付けや料理を手伝うことはあるが、それほど負担に感じることはない。ヤングケアラーという言葉は知っていたが、改めて問題の深刻さ、そして難しさが見えてきた。ケアラーをなくすにはどうすれば―。考え込んでいると、母が「地域からの支えも必要では」と助言をくれた。

 家庭と行政だけでは解決できない問題に、地域ぐるみで対処できないか。ボランティア団体の立ち上げや地区ごとの見守り体制整備など自分なりに解決策を考え、「子どもらしい権利を当たり前に行使できることが何より大切」との思いを強めた。

 父は医療機関に勤務、母は以前、介護士をしていた。幼いころは体が弱く、入院したこともある。そこで働く人の姿を見て、自然と医療・福祉分野を志すようになった。高校卒業後は大分市の専門学校に進み、作業療法士を目指す。「さまざまな人に関わる仕事。楽しくリハビリをしてもらえるよう、幅広く知識を蓄えたい」と笑顔で語った。    

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