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第13回「いっしょに読もう!新聞コンクール」(中)奨励賞 野原光菜望さん 竹田市竹田南部中2年一般記事バックナンバー

「今回、社会問題を深く考える機会になった」と語る野原光菜望さん

 社会問題考える機会 県豪雨で被災の経験重ね

2018年の西日本豪雨で障害のある母娘が避難できずに溺死し、遺族が「誰かが手を差し伸べる社会に」と願う記事(大分合同新聞7月3日付朝刊)を題材に選んだ。10年前の県豪雨で自宅近くの川が氾濫し、床下浸水した経験が重なったからだ。

 記事は、軽度の知的障害のあるシングルマザー=当時(27)=が発達障害のある娘=当時(5)=を抱き締めたまま息絶えていた状況や、避難を呼びかけた男性に「避難所の場所が分からない」と答えたことが書かれていた。

 遺族の「障害がある2人だけで避難できるわけがない」という言葉に、「社会全体が対応を改めるべきだ」と思い、父と話し合った。

 県豪雨では家族6人で避難場所を探しながら移動。高台にある竹田市総合運動公園の駐車場で、大雨がやむのを待ち続けた。父は「行政が住民の状況を把握して対応することが求められる。全ての人命を守る体制を構築しなければ」と語った。

 命が失われないためにどうすればいいのか。「普段から地域で障害者を見守る環境をつくって避難訓練などもし、実際の災害時には誰かが付いて避難をサポートする」。具体的な対策へと考えを深めた。

 日頃は新聞を読むことは少なく、情報はテレビが中心。今回のコンクール入賞には驚いたが、「紙に印刷され、何度も読み返せる新聞だから社会問題を深く考える機会になった」と感じる。

 将来は「災害が起きた時、困っている人に手を差し伸べられるような仕事に就きたい」。自宅がある地区は自主防災組織の活動が盛ん。「まずは訓練などに参加してみる」と、できることから取り組んでみようと考えている。

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